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150: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 03:34

岸壁の母こと端野いせさん。
中国残留孤児を引き取りたいと希望した時
「だけど女の子がええ、男の子は戦争に取られるから・・・」

夜中に泣いてしまった。
151: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 03:43

ううっ、もらい泣き……

147: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 02:45

眠れる弾頭
いや 眠ってはいない
地下のひんやりとした格納の底で
眠るように
自分の出番を待っているのだ

自分の生れてきた使命
生き物どもが自分に与えた
殺戮の免罪符を
ただ一度
生き物どもに投げ返す
そのためだけに
眠るように息づいている

弾頭は眠れない
生き物どもに呪われているからだ
自分が存在するかぎり
眠りの許されぬ呪いを

眠れぬ弾頭は夢を見ている
生き物どもが自分に与えた
殺戮の使命を果たし
安らいだ眠りをむさぼる日々を

自分が
生き物どもの空を駈けることなく
地上のどこか
博物館かどこかのひんやりとした床の上で
往来の好奇の目に晒されながら
惰眠をむさぼる日々を

弾頭は知っている
呪いの解ける呪文を

ふぇあうぇる とぅ ああむず
ふぇあうぇる とぅ ああむず

ただし地上の生き物どもがすべて
いっせいに唱えなければだめなのだ
地球にむかって

Farewell to arms
Farewell to arms

聞こえないか
地下のひんやりとした格納の底で
弾頭が
眠るように呟いているのが

武器よ さらば
武器よ さらば


149: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 03:29

五六振武隊 陸軍少尉 上原良司
大正十一年九月廿七日生
本 籍 長野県東筑摩郡和田村一七三
現住所 長野県南安曇郡有明村一八六
出身校 慶應義塾大学経済学部

所感
栄光ある祖国日本の代表的攻撃隊ともいうべき
陸軍特別攻撃隊に選ばれ
身の光栄これに過ぐるものなきと痛感いたしております。
思えば長き学生時代を通じて得た
信念とも申すべき理論万能の道理から考えた場合
これはあるいは自由主義者といわれるかもしれませんが
自由の勝利は明白な事だと思います。
人間の本性たる自由を滅す事は絶対に出来なく
たとえそれが抑えられているごとく見えても
底においては常に闘いつつ最後には勝つという事は
かのイタリアのクローチェもいっているごとく真理であると思います。

権力主義全体主義の国家は一時的に隆盛であろうとも
必ずや最後には敗れる事は明白な事実です。
我々はその真理を今次世界大戦の
枢軸国家において見る事ができると思います。
ファシズムのイタリアは如何、ナチズムのドイツまたすでに敗れ、
今や権力主義国家は土台石の壊れた建築物のごとく
次から次へと滅亡しつつあります。

真理の普遍さは今現実によって
証明されつつ過去において歴史が示したごとく
未来永久に自由の偉大さを証明していくと思われます。
自己の信念の正しかった事この事あるいは祖国にとって
恐るべき事であるかも知れませんが吾人にとっては嬉しい限りです。
現在のいかなる闘争もその根底を為すものは必ず思想なりと思う次第です。
すでに思想によってその闘争の結果を明白に見る事が出来ると信じます。

愛する祖国日本をしてかつての大英帝国のごとき
大帝国たらしめんとする私の野望はついに空しくなりました。
真に日本を愛する者をして立たしめたなら
日本は現在のごとき状態にはあるいは追い込まれなかったと思います。
世界どこにおいても肩で風を切って歩く日本人
これが私の夢見た理想でした。

空の特攻隊のパイロットは
一器械に過ぎぬと一友人がいった事も確かです。
操縦桿をとる器械、人格もなく感情もなくもちろん理性もなく、
ただ敵の空母艦に向かって吸いつく
磁石の中の鉄の一分子に過ぎぬものです。
理性をもって考えたなら実に考えられぬ事で
しいて考うれば彼らがいうごとく自殺者とでもいいましょうか。
一器械である吾人は何もいう権利はありませんが
ただ願わくば愛する日本を偉大ならしめられん事を
国民の方々にお願いするのみです。

こんな精神状態で征ったなら
もちろん死んでも何にもならないかも知れません
ゆえに最初に述べたごとく
特別攻撃隊に選ばれた事を光栄に思っている次第です。
飛行機に乗れば器械に過ぎぬのですけれど、
一旦下りればやはり人間ですから、
そこには感情もあり熱情も動きます。
愛する恋人に死なれたとき自分も一緒に精神的には死んでおりました。
天国に待ちある人、天国において彼女と会えると思うと
死は天国に行く途中でしかありませんから何でもありません。

明日は出撃です。

過激にわたりもちろん発表すべき事ではありませんでしたが、
偽らぬ心境は以上述べたごとくです。
何も系統立てず思ったままを雑然と並べた事を許して下さい。
明日は自由主義者が一人この世から去っていきます。
彼の後姿は淋しいですが、心中満足で一杯です。

いいたい事を言いたいだけいいました無礼をお許し下さい。
ではこの辺で

出撃の前夜記す

昭和20年5月11日出撃
戦死

152: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 12:39

>>149
こんな人が特攻隊に居たのか。知らなかった…

153: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 12:46

>>149
泣ける。
ある意味、現代の日本は
それを達成したともいえるのだが自覚している
人間はあまりにも少ない。(不幸なことだ)

154: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 12:50

>明日は自由主義者が一人この世から去っていきます。
悲しい名言、、、。涙。

155: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 13:13

>>149
この人の愛読書(哲学者クローチェを論じたもの)には、
本文のところどころに赤い印がしてあった。
その、印をしてあった文字をたどってつなげたのが、
次の文章。

京子ちゃん、さやうなら。
私は君が好きだつた。
しかしその時既に君は婚約の人であつた。
私は苦しんだ。そして君の幸福を考へた時、
愛の言葉をささやくことを断念した。
しかし私はいつも君を愛してゐる

158: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 23:24

おいらは彼女に149と155を見せました。泣き出しちゃいました。
泣きのツボに直球はいっちゃったらしい。

156: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 14:05

>>149>>155
号泣。こうゆうエピソードってどこからネタ仕入れるの???

157: 名も無き国民の声 2001/04/06(金) 14:25

>>156
「聞け、わだつみの声」を読みたまへ

引用元:泣ける話