南硫黄島では戦闘は行われなかったが、
硫黄島陥落後に米陸軍が上陸したところ、1名の日本人が発見された。
米軍が尋問するとこの日本人は遭難して漂着した漁船員であると答えた。
しかし、収容所で硫黄島戦の捕虜達と出会うと、
本当は海軍の下士官であり、搭乗機が撃墜されて
自分だけが南硫黄島に漂着し、発見されるまで
海鳥の卵を食べて命をつないでいた、と密かに打ち明けたという。
この航空兵は日本人捕虜にも氏名を明かさなかったため身元は不明であるが、
おそらくは2月下旬に硫黄島の米軍陣地爆撃のため、木更津から出撃した
一式陸攻の搭乗員と思われる。