竹中 結局はポピュリズムですよね。
道を率いるべき人が「何か困ったことがあったら助けてあげるよ」
というのは本当のリーダーではありません。
「こうしなきゃいけない。みんながんばれ。私たちはこういう方向を目指そう!」
と、一人ひとりを喚起すべきなのです。
ギリシャや日本から分かるように、私たちは社会不安と
ポピュリズムとの悪循環の中にどっぷりはまっています。
経済が悪化しているから社会不安が出る。格差が生まれると
「可哀想だから助けてあげよう」というポピュリズムの考えが政策にある。
そんなことをしても財政赤字が膨らむ一方です。
この悪循環が世界中で起きているのが現状です。
これを断ち切るためには、厳しいことも言えるリーダーが出てくることが一つの条件でしょう。
大阪市長で日本維新の会代表の橋下さんに
期待が集まっているのも理解できます。
もう一つは企業家が成功事例を作ることだと思います。
ですから小笹さんも今後どんどん成功事例を作って
「みんな俺みたいになってみろ」と言ってくれると心強いですね。
若いときから自己責任、自己選択をできるようになって欲しい。
この意識が希薄すぎるなと思います。そこの重要性を伝えていきたいですね。
竹中 今のお話に尽きると思います。サミュエル・スマイルズの
『自助論』という本が、明治時代によく読まれたそうです。
小泉さんが一番好きな本のひとつがこの『自助論』で、私もゼミの学生には
最初にこの自助論を経済学よりも前に読んでもらっています。
「天は自ら助くる者を助く」。
自助・自立が出来る者が多ければ多いほど、
本当の意味で助けを必要としている人を助けることが出来る。
今、船に乗っているとして、その船が沈んだら、自分で泳げる人は泳がないといけない。
そうすることによって初めて救命ボートにお年寄りや子供を乗せられる。
みんなが全員救命ボートに乗ろうとしたら全員死んでしまう。
厳しいけれどもこれが社会の現実です。これはやはり自助なのです。
モチベーションの最終点はこの自助、自立ではないでしょうか。
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